MENU

ラピダスなど、2ナノ半導体を活用した医療AIを開発へ 総事業費105億円

ラピダスなど、2ナノ半導体を活用した医療AIを開発へ 総事業費105億円

ラピダス(東京)や技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC、東京)、日本の北海道大学などは10月20日、回路線幅2ナノメートル級の半導体を活用した医療用AIシステムを開発すると発表しました。手術や画像診断を支援するAIで、総事業費は105億円を見込んでいます。北海道・千歳市の工場で2027年度に量産が始まるラピダス製の半導体を念頭に、産学連携で実用事例をつくる狙いです。

目次

半導体の次に問われる使い道

最先端の半導体は、つくれた時点でゴールではありません。どんな製品やサービスの中で動き、誰の役に立つのか。その答えが見えて初めて、巨額投資は意味を持ちます。今回の発表は、まさにこの「使い道」の部分に踏み込んだものです。

舞台は北海道です。北海道大学が参画し、ラピダスの千歳工場で2027年度に始まる量産を見据えて、医療AIという具体的な活用先を掲げました。ラピダスやLSTCと北海道大学などが手を組み、最先端半導体の実用事例を生み出すことを目指すとしています。

回路線幅2ナノメートルとは、1ナノメートルが10億分の1メートルという極小の世界の話です。髪の毛の太さと比べても桁違いの細かさで、こうした微細な回路をどう生かすかは、半導体を使う側のアイデアにかかっています。

手術と画像診断を支えるAI

開発されるのは、手術や画像診断などを支援する医療用AIシステムです。位置づけはあくまで「支援」であり、医療従事者の判断に寄り添う道具として設計されるものと受け取れます。

医療の現場では、手術中の状況把握やレントゲン、CTなどの画像の確認に、素早さと正確さが同時に求められます。こうした場面のAIは、大量のデータを瞬時に処理する計算力が欠かせません。高性能な半導体の出番が多い領域だといえます。

発表の段階では、あくまで開発の開始と目標が示された状況です。現場での効果は、これから積み上げられていく部分になります。

105億円の事業と量産計画をつなぐ

総事業費は105億円を見込んでいます。5年間にわたり、政府が全額を補助する計画も示されました。民間の資金だけでは負担の重い最先端分野を、国が後押しする構図です。

時間軸を並べてみると、構図がより鮮明になります。ラピダスの量産開始は2027年度の予定で、医療AIの開発もこの時期に重なる形で進みます。チップができあがる頃に、それを載せる医療システムの姿も見えてくる。そんな足並みをそろえる設計が、今回の計画の肝ではないでしょうか。

製造する側と使う側が早い段階から同じテーブルにつくことは、半導体産業にとって大きな意味があります。使い手の要望を設計に反映できれば、完成した半導体が行き場を失うリスクも減らせるからです。北海道で生まれる半導体を、北海道の大学が医療に生かす。この地域発の循環が実を結ぶかどうかが、次の注目点になりそうです。

ラピダスなど、2ナノ半導体を活用した医療AIを開発へ 総事業費105億円

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

目次